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2008/11/16

Der Panther(改)

(※ドイツ文学ネタではありません。)

ゆうべの試合後、寝る、と言いながらもくやしくて情けなくて不安でいっぱいだったので、しばらくヤケ酒をあおって夜更かししてしまいました。
そして朝っぱらから用事があったので、その超寝不足状態のまま出かけ、用事が済んだので、なんとなく大型書店に行きました。

…オランダ語学習書コーナーの前でボーとたたずんでたとしても、気にしないでやってください。
そしてあわてて、いやいやそんな先走って縁起の悪いこと考えちゃダメだ、そうかも知れないなんて思ったら本当にそうなっちゃうよ、ドイツ語の辞書だけで事足りる日はまだまだ続くんだからそうなんだから信じよう、信ずるものは救われる。
…と必死に自分に言い聞かせながら、聖書のコーナーの前でまたボーとたたずんでいたとしても、気にしないでやってください。

やだねもう、何やってるんだかアタシったら。ということで、ハタと思い出して、ついに買うてきました。

リルケ詩集 (新潮文庫)

ということなので、以前にも紹介しましたが、オリヴァー・カーンがかつて自分のことを、ここに登場する豹になぞらえた、という詩と、それをイメージして描いたらくがきを、改めて、ドイツ語版と日本語訳と合わせてご覧いただこうと、こういうわけでございます。

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Rainer Maria Rilke

Der Panther
Im Jardin des Plantes, Paris

Sein Blick ist vom Vorübergehn der Stäbe
so müd geworden, dass er nichts mehr hält.
Ihm ist, als ob es tausend Stäbe gäbe
und hinter tausend Stäben keine Welt.

Der weiche Gang geschmeidig starker Schritte,
der sich im allerkleinsten Kreise dreht,
ist wie ein Tanz von Kraft um eine Mitte,
in der betäubt ein großer Wille steht.

Nur manchmal schiebt der Vorhang der Pupille
sich lautlos auf -. Dann geht ein Bild hinein,
geht durch der Glieder angespannte Stille -
und hört im Herzen auf zu sein.

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パリ 植物園にて

通り過ぎる格子のために
疲れた豹の眼には もう何も見えない
彼には無数の格子があるようで
その背後に世界はないかと思われる

このうえなく小さい輪をえがいてまわる
豹のしなやかな 剛(かた)い足なみの 忍びゆく歩みは
そこに痺れて大きな意志が立っている
一つの中心を取り巻く力の舞踏のようだ

ただ 時おり瞳の帳(とばり)が音もなく
あがると― そのとき影像は入って
四肢のはりつめた静けさを通り
心の中で消えてゆく

(訳・富士川英郎)

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イメージなので、カーンが着ているユニやグローブは架空のものです。そのわりにはキャプテンマークを巻かせたりして、妙にリアルさを追求したりもしてますが(^_^;)

それにしてもここんところ、読書はもとより、映画や芸術鑑賞など、感性を磨く作業をすっかりサボっていたものですから、こうして詩なんぞを読んでいると、このカスカスに乾ききったアタマに、紡がれた言葉たちがいちいちじわじわ沁み込んできますことよ。特に詩を鑑賞する趣味はありませんが、たまにはいいですね。

というより単に、ちょっと気に入っただけなんですけど。
こういう外国文学に対する印象は、訳者のセンスによって多分に左右されるんだろうと思いますが、この富士川氏版は、読みやすく躍動的で、ワタシには響きます。(他を知らないので比べようもないけれど)
それでこのリルケという人の詩は、モノによりますが、哲学的というか抽象的というか、まあ、実際はどうだか知りませんが、カーンが好みそうな感じではあります。
まだぱらぱらめくっただけですが、あ~これはなんだかカーンぽいなぁ、これはそーでもないな~なんて思うと、ついフフフとほほ笑んでしまうのでありました。(鑑賞の仕方が間違ってるぞー)

Dsc05571

 

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コメント

コリアンダーさん、お久しぶりです。
この「リルケ詩集」のリルケって、オリの好きな詩人なんですか?私は、ずっと昔に、この人の書いた「ドゥイノの悲歌」という詩集を読んだ事、あるのですが、物凄く難度の高い「詩」でした。よくわからなかったのですが、父に聞きますと、戦前では、高等教育を受ける人達のリルケ詩集は、必読書だったらしいですよ・・・・。ということは、オリって、物凄い「教養人」って事になりますよね?何しろ、日本ではもう「教養」と言う言葉は、「死語」ですから。

それと、下に書いてある「GQアワード」の記事の写真と動画を見て、物凄く嬉しい事、・・・・・それは、オリが、引退後半年近くたっても、’体重維持’に努めている事・・・・・です。ちっとも太っていそうではなく、ファンとしては、それが一番の事ですよね?オリって、顔が「膨張」してきたら、本当に許せないですよね。引退後も、きちんと自己管理できることを示してもらいたいですね。

最後に。ラムたんの写真、洋の東西を問わず、ああいう「写真」は、どうして、「証明写真」のように、写真を撮ってしまうのでしょうか?サッカーに限らず、いろいろなスポーツ選手、芸能人、ああいう’写真’、証明写真のように写ったり、指名手配中の写真のように見えてしまいます。スポーツ選手・芸能人のプロフィール用の写真、一考の余地、ありますね。

投稿: オリリン | 2008/11/16 20:25

> オリリンさん
う~~ん、実際にカーンがリルケを愛好しているかどうかはわかりません。好きそうだよなぁ、というワタシの勝手な想像で。
ただ、2年前(たぶん→)TVのインタビューで、自分のことをこの詩に登場する豹のようなものだ、と語ったらしいです。自発的に引用したのならかなりの教養人ですが、単に聞かれたから答えただけかも知れず、そこのところははっきりしません。もしかしたらとっくに有名なカーン伝説の一つで、ワタシが知らないだけかも知れませんが(汗)
ワタシが買ったのは薄い文庫本で、比較的わかりやすい短編が多く、「ドゥイノの悲歌」は収録されてませんでした。あとがきによると、とても長い作品なので収録はやめといたのだそうです。難しいんですね…ひぇ(汗)
カーンが今のところ太らずにカッコいいままなのは実に実に喜ばしいことであります。ウリみたいになっちゃったら泣けますよ。今後も気を抜かずに、たとえハゲてもスタイルは維持しているクリンシのことを、その点だけは見習ってもよいと思います。(←「だけ」とか言うな)
今年のバイエルンのプロフィール写真はイケてませんよね。去年までは、お庭の緑を背景にさわやかな感じだったのに。今年は体育館で灰色の壁をバックにしちゃって。ラーム本人がかわいいからまだいいのですが、ちょっとねぇ。別にクリステルちゃんのように斜め45℃でポージングしろとは言いませんが、もちょっとなんとか…。

投稿: コリアンダー | 2008/11/17 08:47

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